2025/04/04 債務整理コラム
オンラインカジノと個人再生
お笑いタレントがオンラインカジノを利用して賭博罪で書類送検されたことが報じられるなどして、オンラインカジノが話題になっています。その報道の中でもカジノ利用の結果、多額の借金を負ったタレントもいることが報じられていますが、ギャンブルで儲かるのはごく一部であり、たいがいは損をするのですから、オンラインカジノに手を出して借金を抱え込むことになるケースは少なからず存在するでしょう。
そうやって借金を抱え込んだ場合、個人再生で整理することは可能でしょうか。この点、オンラインカジノの利用は犯罪(賭博罪)に該当する、などと言われると、犯罪のために作った借金では、個人再生のような裁判所の手続きで借金を減免してもらうことは許されないのではないか、と思われるかも知れません。
そのようなことはありません。刑事処罰の可能性があることと、個人再生の可否とは別個の問題です。個人再生手続きの開始や個人再生計画案の認可等、手続きの各段階でその要件を満たせば、手続きを進め、完了することが可能です。現に、当職は、最近、借金の大半をオンラインカジノで作ったという方の個人再生申立てを担当し、認可決定の確定まで至った例を経験しています。
ただ、日本の証券会社を利用して行った投資であれば、証券会社から取引履歴等を取り寄せることにより、裁判所に対し、借金を何に費消したのか、現在の保有資産がどうなっているかを資料で示すことが容易であるのに対し、日本の金融当局の規制が及ばない海外サイトでは、そのような資料収集の困難性が手続きを進めるうえでのネックとなる恐れがあるとは言えます。
私が担当した事案でも、本人が海外サイトに取引履歴の交付を申請して業者から交付された資料は分かりにくいものでしたが、とりあえず当該資料を裁判所に提出したうえ、当該資料から口座残高がゼロと分かること、預金通帳の側でもその入出金に対応する入出金があることなどを上申書で説明しました。過去に取引していて今は閉鎖されているサイトもあったのですが、それについては資料を出せないこととその理由を述べ、口座残高は仮にあったとしても少額であることを説明しました。また、依頼者にはギャンブル依存症の治療を受けるよう勧め、通院してもらい、通院加療中であることを裁判所に報告しました。
その結果、裁判所から個人再生委員の選任が必要と言われることもなく、手続きを進めることができました。裁判所も不可能を強いるものではない、可能な範囲で誠実に事実を報告するよう努めれば手続きは進められるものだ、と改めて思った次第です。